(統一商品コード)

★分類コードと識別コードについて

 例えばボタン電池の LR44 というのがある。 このコードは電池業界での共通の型番だ。この型番を見るだけで、 業界の人にはアルカリマンガン電池で、1.5V であることや、 その形や用途などがすぐに分かる。
 このようにそれぞれの文字に意味を持たせて、 商品が(そのメーカーや業界の人など、一部の人には) すぐに分かるように付けられているコードを『分類コード』という。
 この商品の裏に 4901660103451 というコードがついている。 この番号を見ただけでは、恐らくその商品のメーカーの人でも どんな商品かは分かるまい。このコードは日本 (49) の 01660 という メーカーコードを与えられたメーカーの 10345 というアイテムコード を付けられた商品であることを示すが、この番号自体に意味はなく、 その商品の内容明細、仕入価格、販売価格などは コンピュータのその番号のページに入っているもので、 このコードはそのページを開く記号でしかないからだ。
 こういうページを識別するためのコードを『識別コード』という。
 統一商品コード、例えば JAN コードは この識別コードだ。

★統一商品コードの歴史

 統一商品コード制定の動きはコンピュータが実用化の黎明期を迎えた 1950 年代にアメリカの食品業界で起こった。
 従来の対面販売方式から、店舗が大型化し、 スーパーマーケット形式の大型量販店が増加してきたが、 当時のキャッシュレジスターでは商品の計算に手間取り、 対応しきれなくなってきたのが原因。 (失礼だが、日常生活で12進法に馴れている米国人にとって、 10進法の計算が苦手だったかも)
 そこで商品に価格に見合った重量のメタルを付けて、 その重量の合計を測って換算したり、コンピュータ普及のごく初期には バーコードの元祖ともいえる ブルズアイ Bull's Eye という同心円状のバーコードを使ったり、 いろいろな試みがされたが、いずれも実用化にはいたらなかった。
 こうした中で、1967年に大手スーパーチェーンのケロッグが初めて UPC の原型のバーコードを商品に付け、 電子スキャナで読み取るという方法を実用化した。
 こうしたバーコード化が実用化され、全国に普及してくると、 当然『統一された商品のコード』が要求されるようになる。
 そこで1970年に米国フードチェーン協会が UPGIP という食品の統一コードを制定し、 さらに1973年 UPCC によって、一般雑貨、薬品なども加えて UPC という一般商品コードが制定されて利用され、バーコード化に拍車がかかった。
 統一商品コードの普及は、コンピュータの機能の向上にともなって、 レジでの売上管理にとどまらず、在庫管理、仕入管理、売上予測といった、 いわゆるPOS の導入につながり、 大型量販店の運営にはなくてはならないものに発展する。
 アメリカでの普及とその成功に刺激されたヨーロッパ諸国では、 これに倣って1977年に EAN という統一商品コードを制定した。
 当初は自由主義経済圏のヨーロッパ諸国だけがその対象だったが、 元々グローバルな考えを持ってコード体系の構成をしていたため、 世界中の各国からこれへの加盟が相次ぎ、 世界的な統一商品コードの体系が確立されて現在に至っている。
(→フラグ参照)

★統一商品コードとバーコードの関係

 一般の人には混同して理解されているので、つけ加えておく。
 JANコードというと、 商品に付けられたシマシマのバーコードをすぐ思い浮かべるが、 これは商品に付けられた統一商品コード、すなわち『本来の意味での JAN コード』を、 バーコードという『シンボル』で表したものだ。
 JAN コードを持ちながら、バーコードを付けていない商品も多数ある。
 例えば屋根瓦を例にとる。瓦というのは一般消費者がスーパーで買うものではない。 だからポスレジで清算するためのバーコードを付けても意味がない。
 ところがメーカーと代理店、代理店と問屋などとの取引では、 その瓦に付けられた番号、JAN コードによって受発注されている。
 商品に付けられた統一商品コードが JAN コードで、 それをバーコードで表示するのが JAN シンボルだ。お間違いなく。

1つ戻る / 種類一覧表にもどる


Copyright 1997 (c) Nippon Barcode Co.,Ltd.. All rights are reserved.