標準物流シンボル

■国内での物流

 物流とは物的流通(Physical Distribution)の略で、国内の物流に限ってこれを分類すると、

 1.原材料の調達から商品の仕入までの調達物流  
 2.商品の販売にかかわる販売物流  
 3.社内物流や返品物流

などに分けられるが、ここでは生産から仕入までの調達物流が対象になる。
 この物流を管理する方法をロジスティクス(Logistics = 元々は軍事補給を意味する)といい、物流の合理化を目的とする。
 物流の合理化とは、メーカーなどの納入業者 → 物流センター → 小売店の各段階における《余剰在庫の排除》と、同時に《必要な商品の即納態勢の確立》といえる。
 近年の小売店からメーカーまでを結ぶ情報のオンライン化、ネットワーク化はこの相反する二つの要請を矛盾なく可能にしている。 下図に情報の流れと、商品の流れを示す。


(#51)



 この流れのなかで商品の情報をコンピュータに自動的に認識させるのが、段ボールケースなどの集合包装に表示された 標準物流シンボルである。

■国際物流

 近年特に盛んになっている国際的な物流は主としてEDI(電子受発注取引)によって行われるが、その商品のデータベースとしてGTIN(Gloval Trade Item Number)が利用される。
 国内物流の合理化の手段として先行して実用化されている標準物流シンボルに利用される「14桁の物流商品コード」がそのままこのGTINに流用されることになった。 この物流の国際化に対応して、標準物流シンボルも14桁への変換が進められており、ここでの説明もこれに則って進める。

(#52)


■標準物流シンボルのコード体系

 標準物流シンボルのコード体系は内容商品のJANコードの頭に1桁のP.I.(Package Indicator = パッケージ・インディケータ、梱包形態表示)を付加したものである。

●物流商品コードのコード体系

   P.I.−FF−MMMMM−IIIII−C/D
※内容商品の JANコードが 短縮バージョンの場合は それぞれ下記のようになる。

   P.I. −00000−FF−MMMM−I− C/D
※P.I.= パッケージインジケータ(入り数を示す梱包形態表示)

  F = フラグ
  M =メーカーコード
  I = アイテムコード

アドオンバージョン

(#53)


 我国では用いられることはないが、枝肉とかハムなどのような個々の包装毎に商品の重量と価格が異なるものの包装に、本体シンボルの後ろに付けられる6桁のシンボルで、次のコード体系になる。小数点が必要な場合は3桁目と4桁目の間が小数点と決められている。

   WWW.WW− C/D

■標準物流シンボルに使用されるバーコード

 標準物流シンボルにはフレキソなどの荒い印刷でも読み取り易い バイナリーレベル のインターリーブド2of5 (ITF) が使用される。このことから標準物流シンボルを一般には ITF と略称している。

(物流識別コード)

■パッケージインジケータ P.I.

  0    家電製品など大型商品の1個入り(単品梱包)
  1〜8  同一商品で入り数などの相違を示す。
       ※包装形態が1種しかない場合、 及び最も出荷量の多い包装形態の場合を1とする。
  9    通常使用禁止(アドオンバージョンが付加されていることを示す)

●P.I.の付け方(参考)
 P.I.(パッケージインジケータ = 梱包形態)はITF-16の「物流識別コード」と実質的には同じ意味ですが、ITF-16では2桁使えた識別コードが実質8種類だけになりますから、従来「おまけ付き」「POP入り」「季節商品」などと細かく分類していたものは「文字表示」に置き換えて、はっきりと「入り数」の分類に絞った方がよいでしょう。  次にP.I.ごとに付番の例を示します。

P.I.0
■家電製品などの大型商品の1個入り(単品梱包)を示します。

●従来は「詰め合わせ梱包」に使用していましたが、詰め合わせの表示が無くなりましたから、詰め合わせの場合は内容商品のJANコードと異なったアイテムコードを付けてください。

P.I.1
■対象とする商品の入り数が1種類しかない場合に付けてください。

■外箱と内箱がそれぞれ1種類の場合に「外箱」に付けてください。

■外箱の入り数が何種類もある場合、一番多く出荷する入り数に付けてください。

●従来の識別コード「010」を付けていたものはこの「1」に付け替えることをお奨めします。

P.I.2
■外箱と内箱がそれぞれ1種類の場合、「内箱」に付けてください。

P.I.2〜8
■外箱の入り数が何種類もある場合、よく出荷する順などで「1」に続けて付けてください。

●商品のアイテム数が多い場合、どの商品にも同じ入り数には同じP.I.を付けておいた方が管理しやすいでしょう。

P.I.5
■入り数が異なる外箱が何種類もある場合、内箱の番号をこの番号から始めればよいでしょう。

P.I.6〜8
■内箱の入り数が何種類もある場合、「5」に続けて付ける とよいでしょう。

P.I.8
●従来「8」はリザーブで使用出来ませんでしたが、ITF-14では使用出来るようになりました。

P.I.9
■ITF-14の後に内容物の重量を示す6桁のアドオンコードがつく場合に使用します。

●アドオンコードは枝肉やハムなど、梱包ごとに重さが変わるものに付けますが、我が国ではあまりそれを利用する例がないので、使用しないでください。

※P.I.の付け方については「0」と「9」以外ははっきりとした決まりはありません。
 以上の例はあくまで弊社が推奨する「参考」としてご覧下さい




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